人生の主人公
今日は、ある本のご紹介です。
今回読んだ本は、大津秀一さんというお医者さん(緩和医療医)が著者で、「死ぬときに後悔すること25」という著書が、テレビ番組(エチカの鏡)でも取り上げられている先生です。
題名は、「感動を与えて逝った12人の物語」。
1000人の死を見届けてきた終末期医療に携わる大津先生が、心に残った患者さんの話をまとめたのがこの本です。
それぞれのお話が、心に響く物語で、どのような最期を迎えるのかは、どのような経験をして、どのように生きてきたのかが問われる、まさに人生の集大成なんだなぁと考えさせられました。
その本のあとがきで、先生はこう締めくくっています。
(要約)
今の日本に必要なのは、モラルである。個人主義が輸入され、日本では、「自分優先社会」あるいは、「自分以上に偉い者がない社会」という形になってしまった。
この本で紹介した人たちのように、利己主義ではなく、利他に生きるからこそ、人は強く生きられる。
そのそれぞれは、無名な人物の物語だけれど、そこにはけっして平凡ではない物語がある。
そういった人たちの想いが次の世代へ伝わり、歴史となる。
「人はその生き方を他者に刻むために生きている」
何かを他者に伝えよう、何かを他者に残そう。
それを読んで、『人は誰でも自分の人生では主人公』という言葉が思い浮かびました。
かなり昔ですが、テレビでこのフレーズを聞いて、自分なんて・・・と、ある意味控えめな考え方の人間からすると、自分が“主人公”だという言葉にちょっとした衝撃を感じました。
でも、今の日本人は、それを“自分さえよければいい”というような間違った考えに変えてしまったのかもしれませんね。
山に不法投棄をしたり、バーベキューのゴミをその場に捨てて帰ったり、民家の近くで夜中に花火をしたり・・・・・・
そのような迷惑行為がテレビでも報道されていますが、いつからそんな世の中になったんでしょうか。
人のためにどう生きるのか。どう生きれば、最期に幸せだったと言えるのか・・・・
そんなことを考えさせられた本でした。
まだ読んでない方は、ぜひ読んでみてください。
僕は、次は「死ぬときに後悔すること25」を読もうと思います。