今さら10月のことを・・・vol.2
10月の出来事その2は、台湾旅行です。
こちらも青年会議所での行事ですが、岸和田JCと台湾南部の高雄市というところにある博愛JCさんとが姉妹提携していまして、隔年で行き来しているのですが、今年はこちらから訪問する番でした。
たくさんの台湾の友人たちと交流を深めてきました。
前回も参加していましたので、今回で2度めの高雄市だったのですが、今年はこちらから要望を出しまして、様々なところへ連れて行ってもらいました。
まずは、飛虎将軍廟。
ここは戦時中に、日本のパイロットが敵軍に撃墜され、台湾の村に墜落しようとしていたのですが、そのパイロットは最後の力を振り絞って、村を避けたことによって自分は脱出できずに命を落としたことを、それを見ていた村人たちが恩義に思い、今でもこうして祀っていただいているお廟(墓)です。
ひょっとしたら、そう見えただけで本当は操縦不能になっていて、偶然、村に墜落しなかったのかもしれません。
脱出できなかったのも、脱出装置が壊れたのかもしれません。
そもそも、日本が戦争をしていなければ、村に戦闘機が落ちそうになることもなかったはずです。
しかし、それでも台湾の人々は村を救った人物として感謝しつづけ、大戦後もこれが日本人を祀っているお廟であると知られると即刻取り壊しにあうため、飛虎将軍と中国人ぽい名前をつけ、偽装してまでも大切に祀ってくれているのです。
相田みつをの詩に「美しいものを見て 美しいと言える その心が美しい」というものがありますが、このことに似ていると感じました。
同じことが起こっても、それに対して感謝をできるかどうかは心の持ちようで変わります。
同じように日本の支配下におかれ、同じように統治されても一方では感謝し、また一方では一生憎むと公言されている、この現状が物語っているようにも思います。
そして、同じように日本人が台湾人に心から感謝されている人物にまつわるところに連れて行ってもらいました。
それが、こちらの「烏山頭ダム」をつくった八田與一さんです。
高雄市のすぐ北側に位置する台南市というところがあります。
この台南地方というのは、治水が悪く、雨季には川が氾濫し、乾季には雨が降らずにすぐに水不足となり、安定して農業を営める地域ではありませんでした。
そこで、人々がこの地で農作物を収穫し、安定した生活を送れるようにと作られたのが烏山頭ダムです。
このダムのスゴイところは、当時世界一の規模を誇ったダムということです。
台湾は日清戦争で清から譲り受けた正真正銘の植民地です。その植民地の住民のために世界で一番のダムを作ったわけです。
このダムによって地域の農業が発展し、後世にまで八田與一さんは崇めらており、台湾では知らない人はいないという日本人なのです。
でも、日本では八田與一という名前を知っている人はあまり多くないですよね。
なぜ学校で教えないんでしょうかね。こんな立派な日本人がいるのに。
ちなみに、この銅像はご本人が立っている像を作るのは偉そうなので、もし作ってくれるなら座っている像にしてほしいとおっしゃって、どのようなダムを作るか悩んでいるところを現したものにしたそうです。
さきほどの飛虎将軍廟と同じく、こちらもこの銅像が中国当局に見つかると即刻取り壊しになるということで、村人が一時隠したというエピソードもあるようです。
と、まぁ、今回、台湾へ遠征するにあたり、この2ヵ所をどうしても回りたいということでお願いして、台湾で現代の日本人が忘れかけている大切な心を学んできました。
台湾では、真面目な・・・とか、律儀な・・・というような意味を表すときに「りっぷんちぇんしん」と言うそうです。
漢字にすると「日本精神」です。
そうです。日本人のことをそうやって尊敬してくれているのです。
もし台湾へ行かれることがありましたら、台北だけではなくて、少し足を伸ばして台南地方へも行かれてはどうでしょうか?
台北は台湾一の都市で旅行客も多いですが、中国からの勢力が強く浸透しているようですが、台南地方はより親日の方々が多いと聞きます。
ぜひ、この2ヵ所には行ってみてください。
最後に、台湾関係の話題をもう一つ。
来年の2015年1月に{KANO」という映画が公開されます。
これは今年、台湾で大ヒットした映画で、日本の甲子園に統治時代の台湾の高校が出場する感動の実話です。
劇中では、八田與一さんも出てきて、烏山頭ダムも登場するようで、とっても楽しみな映画です。ぜひ覚えておいてください。