波紋を広げる
先日、岸和田商店経営研究会さんが主催された『商店街再生への道』~テナントミックスサポートマネージャーの挑戦~に参加してきました。
宮崎県日南市にある油津商店街の活性化に成功された木藤亮太さんを招いての講演でしたが、これがとても勉強になりました。
日南市が商店街再生の請負人「テナントミックスサポートマネージャー」を月収90万円(事業費含む)で募集したところ、333人の応募があり、選ばれたのがこの方。
日南市の人口は5万3千人。年間700人ずつ人口減少が進んでおり、大学がないこともあり、若者の流出に歯止めがかからない状態だそうです。
そんな中、4年の任期の間、日南市に移住して、新規に20店舗を誘致するというミッションであったのですが、それを見事こなして、20店以上の誘致に成功し、通行者数も2.5倍から3倍に増え、商店街活性化に大いに貢献して今年の3月で任期が終了するそうです。
まずは、地元の人達から徹底的に話を聞き、どのようなことがこの商店街を応援してくれる人が増えるのか考えたそうです。
先に集客や、経済効果を考えて何かを行うというのではなく、まちの空気を変えること、つながりをつくること、共感を生み一緒になって商店街を応援する人を増やすことから始めたとのこと。
そこで最初に行ったのが、10年ほど前に閉店した喫茶店があって、多くの人の口からその店の思い出話が出てきたとのことで、店の雰囲気を残しつつ、システムなどは今時のカフェを取り入れたABURATSU COFFEのオープン。
そこを拠点として、株式会社油津応援団を設立。1口30万円で応援してくれる市民42名(現在44名)から出資を募り、活動を軌道に乗せていったそうです。
この話を聞いていて、数年前に青年会議所の講演で、とある建築関係の経営をしているメンバーが、社内の改革をしていったという話を思い出しました。
現場でヘルメットをかぶる人がほとんどおらず、それを何とか改善しようと率先して行動するのですが、その動きはなかなか広まりません。
しかし、ヘルメットをかぶることを啓蒙し続け、少しずつ理解してくれる仲間を増やしていくうちに1割、2割とかぶる人が増えていき、その後はあっという間に過半数を超え、そうなるとかぶっていない人が少数派になって恥ずかしくなり全員がかぶるようになったとのこと。
その最初の2割の人たちをどうつくるのか!
全体の空気を変えることが出来る少数の仲間をどう作るのか!
最初は、最終結果と直接つながらないことでも、まずは空気を変えることが重要で、それができる少数派の仲間をどうやってつくり、そこから全体に波及させること=まさしく波紋をどうやって広げていくのかが大事なんだと感じました。
青年会議所という団体は、その口癖が「波紋を広げる活動」です。
こうしてこれまで学んできたことというのは、つながってくるんだと実感したところです。
少々長くなるので、続きはまた後日といことで。