コミュニケーション を スムーズにする 共通言語
ブランディングに取り組むにあたり、まず何をするのかというと、ブランディングの基礎知識を学んで頂くことからスタートします。そして、どのような課題をなぜ解決したいのかという問いを立てて、ブランディングの目的を明確にしてゆきます。ここでは企業理念やビジョンも明確化してゆくのですが、同時に、社内での「共通言語」を獲得するのが目的となります。
この「共通言語」は組織で物事を進めるうえで必要不可欠なのです。
複数人で何かに取り組む際に連携がうまくいかない原因の1つとして「お互いのイメージが共有できていない」ということがあげられます。イメージを共有するというのは、メンバー同士で話をした際にお互いの頭の中に同じ内容を思い浮かべることです。頭の中で同じ画を描けていれば無駄な説明を省くことができ、作業の効率化を図ることができます。これが、共通言語を持つことの最大のメリットです。
特に、意味が曖昧になりがちなマーケティング用語やビジネス用語、専門用語などは、主観が入っていたりすることもあり、それだけで共通認識を持つことはとても難しいと感じます。気づけば会話が噛み合わないなど、意見交換や情報共有の質が低下するなどの非効率化を招くことになります。
ブランドに関する用語も同じで、同じ言葉でも研究者や実務家など定義する人によって異なる意味を持つ場合が多々あります。ですので、一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会は、協会の定義として、ブランド用語集を策定しています。
意味合いが定義された共通言語というのは、内容が共通認識されているので、説明や確認が必要最低限で済みます。クライアントにプロジェクトについて説明する際も、共通言語を用いることで頭の中で同じ画を描けることが可能になり、会話マネジメントがうまくいったり、ミス・コミュニケーションがおこらないということに繋がるわけです。
ビジネスにおいて関わる人数が増えるほど共通認識を持つことが難しくなります。メンバーに説明する手間が増え、内容の確認が増えることで認識の相違が起きやすくなるからです。そのような場面でこそ、予め内容をイメージしやすい共通言語を用いれば、共通認識を持ちやすくなります。そして、イメージを深く共有することで説明や確認にかけていた時間を短縮できるというわけです。
メンバー同士情報を正しくやり取りするために、必要であれば “用語集” などを設定したり「共通言語」を決めたうえで意識的に利用し、それに対する認識をしっかり共有しておくことが大切です。