社会人基礎力
『社会人基礎力』ってご存知ですか?私はお恥ずかしながら最近知りました。。。
『社会人基礎力』は、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されていて、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年に提唱しました。
平成18年1月に経済産業省が主催した産学の有識者による委員会により、職場や地域社会で多様な人々と仕事を していくために必要な基礎的な力を「社会人基礎力(=3つの能力・12の能力要素)」として定義されました。
能力①:前に踏み出す力(アクション)
一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
▶︎ 主体性:物事に進んで取り組む力
▶︎ 実行力:目的を設定し確実に行動する力
▶︎ 働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
指示待ちにならず、一人称で物事を捉え、自ら行動できるようになることが求められています。能力②:考え抜く力(シンキング)
疑問を持ち、考え抜く力
▶︎ 課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
▶︎ 計画力:問題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
▶︎ 創造力:新しい価値を生み出す力
論理的に答えを出すこと以上に、自ら課題提起し、解決のためのシナリオを描く、自律的な思考力が求められています。能力③:チームで働く力(チームワーク)
多様な人々とともに、目標に向けて協力する力
▶︎ 発信力:自分の意見を分かりやすく伝える力
▶︎ 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
▶︎ 柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
▶︎ 情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
▶︎ 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
▶︎ ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
グループ内の協調性だけに留まらす、多様な人々との繋がりや協働を生み出す力が求められています。
『社会人基礎力』は2018年に再定義され、人生100年時代の働き手は【アプリ(業界等の特性に応じた能力)】と【OS(社会人としての基盤能力)】を常に“アップデート”し続けていくことが求められています。どの年代層でも活躍し続けられるような内容へと更新されていて、新たに3つの視点が提唱されました。学生や新入社員などの若年層だけでなく、中高年などのベテラン層までが対象となったわけですね。
■ 学び【何を学ぶか】
学び続ける力、「OS」と「アプリ」、マインドセットとキャリアオーナーシップ
人生100年時代とも呼ばれる現代で、持続的に活躍し続けるために必要な“大人の学び”のあり方を考えます。長い人生、自己分析して振り返り必要なスキルは何か「考え抜く力」が重要となります。■ 統合【どのように学ぶか】
リフレクション(振り返り)と体験・実践、多様な能力を組み合わせる
自らの視野を広げて多様な人との関係性を活用し、体験・経験、人間関係、スキル、キャリアをつなぎ組み合わせ、目的を実現させるために統合します。新たな価値創出のために「考え抜く力」「チームで働く力」が重要となります。■ 目的【どう活躍するか】
自己実現や社会貢献に向けて、企業内外で主体的にキャリアを切りひらいていく
自身のスキルや経験を活かし、価値の創出に向けた行動を施すための力として、主体的に「前に踏み出す力」がより重要となります。
教育を受ける(〜25歳)/ 仕事をする(25〜60歳)/引退して余生を過ごす(60歳〜)・・・という “3ステージ” の人生モデルは過去のもので、100年ライフにおいては “マルチステージ” 。知識やスキルの再取得、キャリアアップ転職や組織に雇われない働き方、社内外での同時活動(仕事・ボランティア・NPO活動)など、個人の状況に応じて柔軟な生き方にシフトしていきます。
そこで必須スキルなのが『社会人基礎力』となるわけです。
この基礎力、全部できたらすごいなぁと思う反面、子どもの頃に “地域コミュニティ” などで当たり前に身につけてきたスキルのようにも感じますが、今では意識しないと学べなくなっていているのですよね。自身も色々強化しないといけないのかと焦ります…
このように基礎力を育む環境が失われたことを問題と考え、経済産業省が主導のもと、課題解決型授業やインターンシップを含めた『社会人基礎力』育成のための授業の普及が始まっています。そして、授業を通じ、どの程度『社会人基礎力』が伸びたかその成長を審査・評価する「社会人基礎力育成グランプリ」が開催されています。2007年度より始まり、エントリー数も年々増えているようです。
2021年度の全国大会の受賞テーマは、
「women’s empowerment「生理の貧困」」「人工知能を用いた障がい者の就労可能性の向上に資する、DX協働基盤の開発と社会実装のための実践研究」「外国人を対象とした防災教育プログラムの開発と実践」「国内大学のモデルとなるオンライン研究室 同窓会の企画と実行」
・・・気が付きましたでしょうか?そうです、SDGsに紐づいているように感じませんか?学びや社会貢献、価値創造といったキーワードなので必然といえばそうなのですが、SDGsに真剣に考え、実際に取り組むことは『社会人基礎力』を上げていくトレーニングになるかもしれません。
2022年度エントリー(応募)の受付もまだやってます。
観覧は、全国決勝大会詳細決定後に、申し込みを受け付けているようです(2023年2月下旬~3月上旬受付開始予定)。
若い世代の取り組みですが、自身のキャリアが活かせるヒントがあるかもしれません。気になる方はぜひ覗いてみてください。
人生100年時代の社会人基礎力育成グランプリ
https://biz100.org/gp
参考:経済産業省 社会人基礎力